Macaron Marriage
* * * *
それから数日間、二人は寝る前のお喋りを楽しんだ。女の子と話すのが久しぶりだったはずなのに、まるで友達との会話のように次から次へと言葉が溢れてくるのだ。
それだけじゃない。彼女の口から出てくる言葉は翔の興味を引いたし、その先を知りたいと言う欲求まで現れた。
なんだか不思議な子だな……そう思いながら、最後の夜は家族に『カブトムシを探してくる』と言って早めに別荘を出た。
いつものように塀を登り、彼女が来るまでまだ時間があるし、気長に待とうと思っていた時だった。なんと彼女の部屋の窓が開いたのだ。まさかと思って目を凝らすと、窓から顔を出す彼女が見えた。
「あれっ、今日は早いね」
喜びを噛み締めながら話しかけると、彼女は驚いたように目を見開いた。
「えっ……もういたの?」
「うん、実は明日帰るんだ。だからいつもより長くお喋りできたらなぁって思って」
明日と聞いて寂しそうに俯く様子にドキドキした。君も僕と同じように残念だと思ってくれた?
「君に会えたおかげで、今年の夏はすごく楽しかったよ」
「うん……私も……。ねぇ、ロミオくんは何が好きなの? 聞いてみたい」
「僕? うーん……なんていうかさ、好きなものはいろいろあるんだ。スイちゃんみたいに絞れてないんだけど、天体、農業、雑貨、歴史、語学、文化、そういうことをこの先勉強したいって思うんだ」
「……私なんかよりずっとすごい……」
「そんなことないよ。お互いやりたいことがやれている未来だったら幸せだね」
君と話していて、やってみたいことが増えて来た。そのためにもっとたくさんのことを学びたいと思うんだ。
それから数日間、二人は寝る前のお喋りを楽しんだ。女の子と話すのが久しぶりだったはずなのに、まるで友達との会話のように次から次へと言葉が溢れてくるのだ。
それだけじゃない。彼女の口から出てくる言葉は翔の興味を引いたし、その先を知りたいと言う欲求まで現れた。
なんだか不思議な子だな……そう思いながら、最後の夜は家族に『カブトムシを探してくる』と言って早めに別荘を出た。
いつものように塀を登り、彼女が来るまでまだ時間があるし、気長に待とうと思っていた時だった。なんと彼女の部屋の窓が開いたのだ。まさかと思って目を凝らすと、窓から顔を出す彼女が見えた。
「あれっ、今日は早いね」
喜びを噛み締めながら話しかけると、彼女は驚いたように目を見開いた。
「えっ……もういたの?」
「うん、実は明日帰るんだ。だからいつもより長くお喋りできたらなぁって思って」
明日と聞いて寂しそうに俯く様子にドキドキした。君も僕と同じように残念だと思ってくれた?
「君に会えたおかげで、今年の夏はすごく楽しかったよ」
「うん……私も……。ねぇ、ロミオくんは何が好きなの? 聞いてみたい」
「僕? うーん……なんていうかさ、好きなものはいろいろあるんだ。スイちゃんみたいに絞れてないんだけど、天体、農業、雑貨、歴史、語学、文化、そういうことをこの先勉強したいって思うんだ」
「……私なんかよりずっとすごい……」
「そんなことないよ。お互いやりたいことがやれている未来だったら幸せだね」
君と話していて、やってみたいことが増えて来た。そのためにもっとたくさんのことを学びたいと思うんだ。