Macaron Marriage
* * * *
華子が作っておいてくれた夕食を食べ、風呂を済ませた萌音は、パジャマに着替えてから自室に戻る。
普段ならリラックス出来る時間だが、今日はいつもに比べてどこか落ち着かない。
別に明日会う約束をしているわけじゃない。私は在宅で仕事をするから、偶然バッタリ会うなんてことはきっとないはず。だけど上野夫妻のドレスの件で話すことがあるかもしれないし……。
ベッドに座って膝を抱え込むと、そっと目を伏せる。
私は翔さんとどうなりたいんだろう……好きという気持ちは自覚した。でも八ヶ月しかないのに恋をするの? それは婚約者への裏切り行為にならない?
もやもやする頭を抱えながら、気分転換をしようと窓辺に近付く。窓を開けると、秋の夜らしいひんやりとした空気が流れ込んでくる。両腕を摩りながら、萌音は星空に目を向けた。
あの頃見ていた空と変わらない星の瞬きに、うっとりと見惚れていた時だった。
「何してるの?」
突然声が聞こえ、萌音は反射的にあのレンガの塀の方へと視線を向ける。まさか……そんなわけないよね……そう思いながらも、目を凝らしてしまう自分がいた。
だってこの声……でもこのシチュエーション……。それは一つの答えを導いていた。
華子が作っておいてくれた夕食を食べ、風呂を済ませた萌音は、パジャマに着替えてから自室に戻る。
普段ならリラックス出来る時間だが、今日はいつもに比べてどこか落ち着かない。
別に明日会う約束をしているわけじゃない。私は在宅で仕事をするから、偶然バッタリ会うなんてことはきっとないはず。だけど上野夫妻のドレスの件で話すことがあるかもしれないし……。
ベッドに座って膝を抱え込むと、そっと目を伏せる。
私は翔さんとどうなりたいんだろう……好きという気持ちは自覚した。でも八ヶ月しかないのに恋をするの? それは婚約者への裏切り行為にならない?
もやもやする頭を抱えながら、気分転換をしようと窓辺に近付く。窓を開けると、秋の夜らしいひんやりとした空気が流れ込んでくる。両腕を摩りながら、萌音は星空に目を向けた。
あの頃見ていた空と変わらない星の瞬きに、うっとりと見惚れていた時だった。
「何してるの?」
突然声が聞こえ、萌音は反射的にあのレンガの塀の方へと視線を向ける。まさか……そんなわけないよね……そう思いながらも、目を凝らしてしまう自分がいた。
だってこの声……でもこのシチュエーション……。それは一つの答えを導いていた。