Macaron Marriage
「いろいろ考えちゃってるでしょ? でも今はそういうことは気にしないで、萌音は初めての恋愛を楽しんで。重くならない程度に萌音を愛するから……俺が欲しくなったらいつでも言ってね」
「……やっぱり翔さんってむっつりスケベなんだわ……昨日だって、あ、あんなところにキスしたりするし……」
「まぁ男なんてそんなものだって。好きな人をこの手に抱きたい、好きな人の中に入りたい、好きな人と一つになりたい……」

 萌音の顔が一瞬で真っ赤になる。それを見て翔は満足気に鼻を鳴らす。

「八ヶ月後のことは考えないでおこう。大丈夫。ちゃんと二人の幸せを考えているからさ」

 それってどういうこと? そう聞こうとしたが翔に唇を塞がれてしまい、何も言えなくなってしまった。

「さて、華子さんに怪しまれちゃうからそろそろ行こうか。第二ラウンドが始まったって思われちゃうよ」
「だ、第二ラウンド⁈ それは困る!」

 萌音はベッドから降りると、翔の前であることをすっかり忘れて部屋着に着替える。それを翔は驚きつつも、ニヤニヤしながら眺めていた。

「うーん、なかなかいいものを見てしまった」

 翔の呟きで事態を把握した萌音は顔を真っ赤にしてから彼の背中を押して部屋から出そうとする。

「は、華子さんが待ってるから早く行きましょう!」
「はいはい、照れなくてもいいのに」

 そして二人は急いで階下の華子の元へと急ぐのだった。
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