Macaron Marriage
残された萌音と瑞穂は顔を見合わせると、クスクス笑い合う。
「じゃあここで着替えてしまいましょうか?」
「そうですね、お願いします」
萌音は部屋のカーテンと扉を全て閉め、マネキンの横に大きめのラグマットを敷く。
「あっ、ブライダル用のインナーは……」
「ちゃんと付けてきてますよ! 少しでも体型をスリムにしたいので……」
瑞穂は萌音から受け取ったハンガーに脱いだ服を掛けると、ハンガーラックに引っ掛けた。その間に萌音はドレスをラグマットの上に置き、瑞穂が足を通しやすいように身頃の真ん中を開ける。
すると戻ってきた瑞穂がその穴を指差す。
「ここに入ればいいんですよね?」
「はい、お願いします」
瑞穂が真ん中に立つと、萌音はゆっくりとドレスを上にあげ、背中の編み上げを丁寧に通していく。
目の前の姿見を見ていた瑞穂は、頬を赤らめながら口の端が緩みそうになるのを必死に堪えているように見えた。その姿が可愛らしくて、萌音も笑みが溢れる。
「すごく素敵……」
「元々がAラインのシンプルなドレスでしたが、松島様が可愛くと言ってくださったので、ボリュームのあるチュール素材をレースの下に縫い付けてあります」
「実はプリンセスラインにちょっと憧れていたんです……だからすごく嬉しい……」
「あとは寒いのが気になるとおっしゃっていたので、肩は出ていますがその下にふんわりと袖を追加してみました」
「うんうん、これなら絶対に寒くないです!」
「着心地や、どこか気になる点などはありますか?」
「気になる点だなんて! 大満足です。着心地もすごく良いし……早く恵介に見せたいなぁ……」
ソワソワしながらドアの方を気にするが、まだ戻る気配はなかった。
「とても仲がよろしいんですね。羨ましいです」
「……付き合いが長いので……たぶん彼以上に私を知る人はいないでしょうね……」
「でもそういう方に出会えたのは素晴らしいことですよね。付き合いが長いらからこその信頼関係が、こちらにも伝わって来ますから」
すると瑞穂は困ったように笑いながら下を向いた。萌音は自分が何か彼女を不快にさせるようなことを言ったのではないかと不安になる。
「じゃあここで着替えてしまいましょうか?」
「そうですね、お願いします」
萌音は部屋のカーテンと扉を全て閉め、マネキンの横に大きめのラグマットを敷く。
「あっ、ブライダル用のインナーは……」
「ちゃんと付けてきてますよ! 少しでも体型をスリムにしたいので……」
瑞穂は萌音から受け取ったハンガーに脱いだ服を掛けると、ハンガーラックに引っ掛けた。その間に萌音はドレスをラグマットの上に置き、瑞穂が足を通しやすいように身頃の真ん中を開ける。
すると戻ってきた瑞穂がその穴を指差す。
「ここに入ればいいんですよね?」
「はい、お願いします」
瑞穂が真ん中に立つと、萌音はゆっくりとドレスを上にあげ、背中の編み上げを丁寧に通していく。
目の前の姿見を見ていた瑞穂は、頬を赤らめながら口の端が緩みそうになるのを必死に堪えているように見えた。その姿が可愛らしくて、萌音も笑みが溢れる。
「すごく素敵……」
「元々がAラインのシンプルなドレスでしたが、松島様が可愛くと言ってくださったので、ボリュームのあるチュール素材をレースの下に縫い付けてあります」
「実はプリンセスラインにちょっと憧れていたんです……だからすごく嬉しい……」
「あとは寒いのが気になるとおっしゃっていたので、肩は出ていますがその下にふんわりと袖を追加してみました」
「うんうん、これなら絶対に寒くないです!」
「着心地や、どこか気になる点などはありますか?」
「気になる点だなんて! 大満足です。着心地もすごく良いし……早く恵介に見せたいなぁ……」
ソワソワしながらドアの方を気にするが、まだ戻る気配はなかった。
「とても仲がよろしいんですね。羨ましいです」
「……付き合いが長いので……たぶん彼以上に私を知る人はいないでしょうね……」
「でもそういう方に出会えたのは素晴らしいことですよね。付き合いが長いらからこその信頼関係が、こちらにも伝わって来ますから」
すると瑞穂は困ったように笑いながら下を向いた。萌音は自分が何か彼女を不快にさせるようなことを言ったのではないかと不安になる。