嫌われ夫は諦めない
「シャスナ、子どもの作り方は知っているのか?」
「バカにしないでよ! そのくらい知っているわよ。女性器の中に男性器を入れるんでしょ? そのくらいは家庭教師に教わったわ。父が病気になる前は、これでも教育は受けたのよ」
「そうか、それなら焦ることないか。って、お前、やっぱりもう経験があるのか?」
「経験? なんの?」
シャスナは問われたことの意味がわからず、思わず首を傾けた。その様子をみたリディオはほっと安心したように浅く息を吐いた。
「やっぱり、噂は間違いだったんだな。誰だよ、あばずれ令嬢なんて言った奴は」
「リディオ? 何か言った?」
「あー、いや、いい。こっちのことだ。お前は俺が一から教えてやるから、そのままでいいんだ」
「やだ、一から教えるって。何を教えるつもりなのよ……」
「あ“? 俺の得意なことだから安心しろ。伊達にクズ王子とは言われちゃねぇよ」
クズ王子の得意なことと言われても、とてもいいことには思えない。獲物に狙いをつけた獣のように目を光らせたリディオが、自分の唇を舐めるのを見た途端、思わずシャスナの背筋にゾクリと冷たい感触が走る。
シャスナはどうしたらこの獣を追い散らすことができるだろうかと、頭を悩ませるのだった。