嫌われ夫は諦めない

 止まらない涙を見て、リディオの指がやさしく拭う。ひくっ、ひくっとしゃくりながら彼を見上げると、眉を寄せてシャスナを見つめていた。

「ばかだなぁ、俺が愛しているのはお前だけだって、何度も言ってるだろう?」
「だったら、信じさせてよ!」
「あぁ、わかった」

 リディオは立ち上がるのと同時に、シャスナを横抱きにして屋敷の方へ運び始めた。

「リディオ、自分で歩けるから降ろしてちょうだい」
「……」

 リディオは寝室まで運ぶと、これまでになく優しく触れた。何度も名前を呼び「好きだ」と甘い声で囁きながら、初めての身体を開く。行為が終わった後もシャスナを愛おしそうに抱きしめていた。

 シャスナは疲れを覚えて目を閉じると、そのまま眠りにはいってしまった。


< 21 / 32 >

この作品をシェア

pagetop