嫌われ夫は諦めない


 寝台に横になったまま、イヴァーノは顔を窓に向けて外を見た。

「もう、あの騒動から二十年だ。これからは君たちの世代になる。セリーナに、僕の業を背負うのは僕だけにさせてくれと、すまなかったと伝えてくれないか。君に爵位を移譲する書類が机の引き出しに入っている。それを持って、シャスナを連れて王都に行ってくれないか?」
「わかりました。閣下、俺は一度王宮に行きますが、また帰ってきます。その時に、シャスナと今後どうしたいかを話します。それでよろしいですか?」
「あぁ、君の好きなようにして欲しい。……僕はもう、この地に骨を埋めるよ」

 力をなくしたようにイヴァーノは目を閉じた。彼の寝室を静かに立ち去ったリディオは、一言だけ書き残して王都に向かった。


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