西野先輩はかまいたい
西野先輩はやっと
抱きしめた腕をほどいてくれた。
にんまり顔の前で私を見つめ
蛍光きみどり色のシャーペンを
楽しそうに揺らしている。
「はい、これ」
「先輩のシャーペンですよね?」
「交換する約束だったでしょ?」
「私なんかがもらって
本当にいいんですか?」
「俺の物を
持っていて欲しいんだよ。
特別大好きな、百合ちゃんにね」
嬉しさが込み上げてくる。
私も渡したいな。
自分が大事にしているシャープペンを。
西野先輩に、使って欲しいから。