冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
幸いだったのが、ジェフリルド国王がとうとう結婚の命令を出さざるを得なくなったくらいに、相手の第二王子が最低最悪な男だったことだ。

王宮所属軍司令官、アンドレア・ラグウルフ。

結婚にまったく興味がなく、大勢の愛人を離宮に置いているらしい。花嫁候補たちが次々に逃げ出してしまったほどのひどさだとか。

(どんなシチュエーションを見れば、逃げ出すんだろう……)

話を聞いた時に、ミリアはちょっとそう思ったものだ。

今回の〝サンスティール王国の第一王女コンスタンシアの嫁入り〟は、挙式などはなく、そのまま離宮暮らしになると通達が来ていた。

どうやら相手の獣人王子は、顔を合わせる気はないようだ。

つまり、結婚しても放っておかれる。そう知ってミリアたちは完全に確信したのだ。

(向こうの狙いは、別居の末の国際離婚!)

半年、手付かずだったら結婚はなかったことになる。

それは、全大陸で共通して定められている国際法だった。どんな大国であろうと従う義務がある。

そこでミリアたちは、今回の危険な方法を取ることを考えたのだ。

(だから私は、半年だけ姫様のふりをして乗り切ればいい)

そんなことを考えている間に、馬車が目的地に到着した。

停車を感じた途端に、ミリアはプラチナブロンドの髪に問題がないか素早く確認し、用意されていたヴェールをかぶり直して下車した。

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