冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
(……彼が好きなのは、姫様なのに)
そう考えて胸が苦しくなった。
自分の主人であるコンスタンシアへの後ろめたさ、そして偽物であることへの猛烈な罪悪感で息が詰まった。
(彼に、こんな優しいことをさせちゃだめだ)
咄嗟に離れようとしたら、彼が察したようにミリアの手を自分の腕に押し留めた。
「君は俺の妻だ。堂々としていていい」
アンドレアが、柔らかな眼差しを向けてくる。
(あっ、こんな風に笑う人なんだ……)
その穏やかな微笑から目が離せなかった。周りによけていく人々が、イイ感じであると声を潜めて見送っていることには気付かなかった。
ティータイムの場所は、王妃の屋内庭園となっていた。
王族の住居区から外廊下へ進んでみると、綺麗な色をした芝生、造園と池、可愛らしい花々が咲く花壇を眺められる通路が四方から伸びた所に出た。
(うわっ、建物の真ん中に緑がある!)
建物側は背の高い木や植物が植えられ、進んでいくと周りを壁で囲まれていることも忘れそうな空間だった。
その中央に、白亜のアンティーク席が設けられていた。
そこにジェフリルド国王、王妃、王太子、と揃っていてミリアは眩暈を覚える。
「さ、アンドレア、早くあなたの妻を連れていらっしゃいな」
待ちきれず王妃が手招きすると、アンドレアは笑顔で了承する。
「分かっていますよ。だからこうして連れてきたでしょう?」