冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
と、ミリアは大きなアイスブルーの目を丸くした。

「あ……あああああぁぁ! この前の『おじいさん』!」

思わず指を差した。

声がまったくそのままだ。そして、思い返してみれば帽子をかぶつていたその顔は、まんま目の前にいる〝国王〟だった。

やはり何かしていたかと、アンドレアが溜息をもらしながら手に額を押し付ける。カイたちが神に祈るように手を組み合わせていた。

「あははは、ようやく気付いたの?」

ジェフリルド国王が、愉快そうに肩を揺らした。

「えぇぇ、だって、喋り方とか全然……えぇえぇぇっ」

「緊張が少しはとけてくれたかな? 私はね、プライベートではこうなの。お茶目でしょ?」

「――はっ、よく言う」

一瞬怖い目をしたエミリオが、笑顔に戻って、

「父上、またろくでもないことしたんですねー」

笑い声を含ませてそう言った。

(空気がひんやりとしている……溝を感じる……)

ミリアは、隣が裏表激しい王子で怖いと思った。ぎゅっと目を瞑ったら、王妃がにっこりと笑いかけてきた。

「安心なさい、ほら、怖いないですわよ」

見てみると、微笑んだ目元の美しい柔らかさがエミリオとよく似ていた。

「あっ、はい。ありがとうございます……」

「さ、支度も整ったことだし、まずはいただきましょ?」

王妃がいいわよねと確認し、ジェフリルド国王が了承するなりティータイムが始まった。

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