冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
「分かる。こっちが緊張で吐きそう」

そんなカイたち五名を、こいつら何言ってんだと護衛騎士達が見た。

周りは自分を見ていない。そう思って緊張も緩も、ミリアは楽しげに小さくカットしたケーキを口に入れた。

(ほぇ~っ、美味しい!)

幸せだ。小さな口に運んでは入れ、もっきゅもっきゅと食べ進めていく。

「あなたの言った通りね、小動物みたいで可愛いわ」

王妃が拳をぐっとする。

「〝妻〟の緊張も解けたようなので、改めてここで感謝を述べたい」

聞こえた単語に、ミリアは加えていたウォークを噴き出しそうになった。

アンドアが急にそんなことを言ったのだ。え、待って、と思って彼を見た時には、アンドレアが爆弾宣言をしていた。

「二人揃っての挨拶が今になってしまい、申し訳なかったと思っています。彼女が俺の妻です」

「ごほっ」

(また『妻』って言った!)

とうとうミリアは咽た。エルボットが、素早く対応に入る。

「このたびは、俺のために良縁を結んでいただいたと、父上には感謝しています」

それを聞いてエミリオが「ふふっ」と笑った。

「ようやく観念する気になったんだ?」

「兄上、いじわるでそう言ってくれないでくれますかね……彼女に誤解されます」

「まぁまぁ、めでたいじゃないの」

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