冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
ガイエンザル国王を始め、王妃も兄弟王子もコンスタンシアも仲が良かった。控えているミリアたちにも、よく菓子を分けてあげたりしていた。

(でも、婚姻成立の話はまずい、よね)

これは深刻な状況かもしれない。

ミリアは嫁入りしたとはいえ、初夜は延期の状態だった。

獣人族は、初めての営みでフェロモンが一番出ているところを噛んだら婚姻が成立するという。そうするとアンドレアは、その相手にしか発情しなくなる。

つまり子作りは、その相手としかできないのだ。

(そんなことになったら、結婚は白紙にできなくなる……!)

のほほんとしたティータイムもよそに、ミリアどうにかしなくちゃと思った。



◇◇◇



その翌日。

ミリアは侍女がいなくなった途端に、向かいの本殿へと走って乗り込んだ。

「というわけでっ、緊急会議を開きます!」

やる気の顔で仁王立ちした彼女へ、カイたちは低テンションな顔を向けている。侍女たちがいる間ずっと生活魔法をかけていたので、いったん休憩させてと言って、ミリアの髪の色はオレンジに戻っていた。

「昨日予告は受けていたけど、緊急会議って言われてもなぁ」

「カイ小隊長たちティータイムの話を聞くに……なぁ?」

「何をのんびりしたこと言ってるのっ、これは重大な問題だよっ」

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