冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
結婚を続行されたら、自国で待っているコンスタンシアは結婚できなくなる。交流がこれ以上続くと、身代わりがバレる可能性も出てくるのだ。

「姫様には悪いけど、なりふり構っていられなくなりました。私、姫様らしくないところをちょっと出すことも覚悟でがんばりたいと思います」

「というと?」

「必要ならばっ、嫌われる作戦を実行するつもりですっ」

と言ってもなぁ、と全員が乗り気ではない顔だ。

「敬語で意気込みは分かるけど、やっぱりなぁ」

「つうか、姫っぽくないの元々ただ漏れだったぞ」

カイがとうとう書類作業から手を離してツッコミした。しかしミリアは聞き流すと、全員の目が届くように会議用のホワイトボードのところまで移動する。

「あ、これ確実に自分ではそう思っていないやつだ……」

「ほんと、見ていないと心配なくらい抜けてるとこあるよなぁ」

「おぅ。俺らが見ててやらねぇとな」

騎士たちは、想いを一つにして頷く。まだ手にペンを持っていた騎士たちも、机に置いて話を聞く姿勢を取った。

「調べてみたんだけど、この国では離婚も合意なんだね。花嫁の資格を剥奪される場合は、有罪、失踪――」

ミリアが指折り上げだした例を聞くごとに、カイたちの顔色が悪くなる。

「――で、さすがに姫様の結婚と国交に響きそうで、どれも使えそうにないなって分かった」

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