冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
話を聞いてどうなるのだろうとミリアは思ったが、カイの説明の方が気になった。

「騒動って、いったいどんなことが……?」

「結ばれそうになっていた縁談を自分で回避して、まぁ色々あって、最後は円満に王太子殿下と結婚が〝叶った〟」

「えーと……つまりエミリオ王太子殿下が好きだった、ということかな?」

「おぅ、幼馴染だな。とにかくさ、聞くならいい相手だと思う」

「そう、かなぁ」

迷ったものの、カイや騎士たちが背中を叩いてきて流される。

「そうだって。まずは話を聞いてみ? 俺らにとってもいい時間稼ぎに……いやっ、なんでもない! とにかくそうしようぜ」

なんだかはぐらかされた気がするけど、たしかに同じ姫という立場からしても、話を聞くにはいいかしれないと思えた。



そう話がまとまったのち、カイたちが普段にないくらい積極的でミリアは一緒に王宮へと上がった。

王太子妃と話すためには、まずエミリオに一度会わなければならない。

苦手意識があって気が引けたものの、頼まないことには話すチャンスだって作れない。どうすれば会えるのか近衛騎士から話を聞いているところで、当のエミリオがひょっこり顔を出して驚いた。

「え? ご帰宅……ですか?」

今日は、これで帰るのだという。

「私は、エレンヴィア城で妻と暮らしているからね」

ここで暮らしていたのは結婚する前までの話だったようだ。

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