冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
「……実は、その……たとえば、なんですが、もし結婚が白紙になる方法があるのなら、お話を聞きたいなと思いまして……」

「あら、どういうことかしら? アンドレア殿下にご不満が?」

「そんなことはありません! アンドレア様はとてもいい人です! ……あっ、その」

大きな声に目を丸くしたシャルスティーヌを見て、ミリアは一瞬熱くなった胸がさーっと冷えていった。

「え、えと、私の方こそだめだめというか。でも、あのっ、嫁入りした日からしばらく放っておかれた身ですし、まだ腹の虫が収まらないと言いますかっ」

思いきりアンドレアを庇った手前、なんで結婚を博士にする方法を尋ねたのか、という理由になるような言葉を探すのに困った。

(うわあああああなんで私あの人のことフォローしたの!)

すると、シャルスティーヌが思案するように綺麗な指先をゆっくり顎へ添えた。

「そう――なるほど。これもまた〝時間稼ぎ〟ですのね」

「はい?」

シャルスティーヌが視線を戻し、にっこりと笑って「いいえ?」と答えた。続いて彼女がカイたちを見る。

「あなた方は、何か知っていまして?」

尋ねられたカイたちが、質問の意図も分かりませんと言わんばかりに首を横に振る。

「ふふっ、そうなの。――相変わらずあのお方は〝ゲス〟なことを考えますわね」

「ゲ、ゲス……?」

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