冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
「おほほ、唐突に言われても意味が分からないと思いますけれど、語ると長いので短縮いたしますわ。あそこまで取り乱されて、わたくしは大変遺憾です、屈辱です」

シャルスティーヌがいい笑顔で話を締めた。

(あっ、これ、聞き出しちゃいけないやつだ……)

ミリアは察して、深くは尋ねないことを決めた。彼女が抱えている怒りの原因が、屈辱だと感じた部分であることは理解した。

「勘違いしないで欲しいのは、結婚できたことは感謝していますのよ?」

「あ、あはは、そう、ですよね……」

エミリオ以上に極寒がすごいので、できれば前の下りごと忘れたい。

「つまり婚約にしろ結婚にしろ、身体を張っての抗議が案外もっとも有効ですわね。それから、こちらの国内で結婚を白紙に戻す云々であれば、大国の中でこの国は珍しく恋愛重視の婚姻がならわしです」

恋愛結婚、と聞いてどきりとした。

(もしかして……陛下は、アンドレア様か姫様に気持ちが向いているのを知って、政略結婚の相手に選んだ?)

実際に話してみたら、ジェフリルド国王は想像していたような暴君ではなかった。お爺さんとして話しかけてきた時と同じだ。

ジェフリルド国王は、二番目の息子のために今回の結婚を決めた。

もしそうだとしたら、彼が選んだのはアンドレアが好きになったサンスティール王国の第一王女コンスタンシアで、ミリアじゃない。

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