冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
その時、衣装を着替えたエミリオが戻ってきた。
「シャルスティーヌ、弟の妻をたらしこんだらだめだよ。とても怒られるだろうからね」
「たらし込むだなんて、ひどい言いがかりですわ」
ミリアの椅子に寄りかかっていたシャルスティーヌが、するりと手を離し、くすりと笑って夫に歩み寄る。
「そうかな。私は、君のせいで女性にまで嫉妬させられた身なんだけど」
「同性婚がないこの国が珍しいのですわ。性別関係なく、みんな恋敵になりますのよ。わたくしは、あなたの周りの殿方にも嫉妬しましたわ」
シャルスティーヌが、つらつらと告げてにっこりと笑う。
初めてエミリオの笑顔が困った。
「……まいった」
「あら、もうよろしいんですの?」
「これ以上、弟の妻の前で恥ずかしい黒歴史を晒されたらたまらないからね」
エミリオがしてやられている光景、というのも珍しいように思えた。
ミリアも、カイたちと同じく小さく笑い出しそうになった。なんだか、シャルスティーヌにはスカッとさせられた。
ビビアンヌがワゴンを押して戻ってきて、三人分の紅茶が用意された。
話し上手な二人のおかげで、ミリアはしばらく胸の苦しさは思い出さなかった。そして早い夕食時間まで、楽しい談笑の時間を過ごすことになった。
◇◇◇
「シャルスティーヌ、弟の妻をたらしこんだらだめだよ。とても怒られるだろうからね」
「たらし込むだなんて、ひどい言いがかりですわ」
ミリアの椅子に寄りかかっていたシャルスティーヌが、するりと手を離し、くすりと笑って夫に歩み寄る。
「そうかな。私は、君のせいで女性にまで嫉妬させられた身なんだけど」
「同性婚がないこの国が珍しいのですわ。性別関係なく、みんな恋敵になりますのよ。わたくしは、あなたの周りの殿方にも嫉妬しましたわ」
シャルスティーヌが、つらつらと告げてにっこりと笑う。
初めてエミリオの笑顔が困った。
「……まいった」
「あら、もうよろしいんですの?」
「これ以上、弟の妻の前で恥ずかしい黒歴史を晒されたらたまらないからね」
エミリオがしてやられている光景、というのも珍しいように思えた。
ミリアも、カイたちと同じく小さく笑い出しそうになった。なんだか、シャルスティーヌにはスカッとさせられた。
ビビアンヌがワゴンを押して戻ってきて、三人分の紅茶が用意された。
話し上手な二人のおかげで、ミリアはしばらく胸の苦しさは思い出さなかった。そして早い夕食時間まで、楽しい談笑の時間を過ごすことになった。
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