冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
悲鳴を上げたのは側近で、一部がひっくり返った。壇上にある『サンスティール王国一同歓迎』の垂れ幕に紙飾りを付けていた使用人が、肩車をしている同僚と共に転がる。居合わせた高官も貴族も驚きを露わにしていた。
アンドレアはぽかんと口を開けていたのだが、やがて破顔し前髪をかき上げた。
「――ははっ、いつも予想外のことをしてくれるな」
木登りを試した時も、今も。
「笑っている場合ではないですぞ殿下っ。ようやくあなた様のお子を残せるお相手が……!」
側近たちに取り囲まれて、アンドレアはさすがに引いた。
「まぁ、そう泣くな。彼女の気持ちは俺に向いてきている。俺も手放すつもりはないから、安心しろ」
ミリアのそばで、アンドレアはその変化も見てきた。
彼女の一番恋しい人になれるよう、彼も引き続きがんばるつもりだ。彼女がこのまま結婚生活を維持していいと思ってくれるように――。
「彼女はしっかりしているが、抜けているところもあるとは〝第一王女〟からの手紙にも書かれていた。怪我などをしてしまう前に迎えに行こう」
アンドレアの指示でカイたち精鋭部隊、そして近衛騎士隊から王族護衛部隊が協力要請を受け、馳せ参じることになった。
◇◇◇
それより少し前のことだ。
ミリアはその日、早めに起床すると、ベッドの上で精神統一をした。護身の修行をしていた時と同じく自身と向き合う。
アンドレアはぽかんと口を開けていたのだが、やがて破顔し前髪をかき上げた。
「――ははっ、いつも予想外のことをしてくれるな」
木登りを試した時も、今も。
「笑っている場合ではないですぞ殿下っ。ようやくあなた様のお子を残せるお相手が……!」
側近たちに取り囲まれて、アンドレアはさすがに引いた。
「まぁ、そう泣くな。彼女の気持ちは俺に向いてきている。俺も手放すつもりはないから、安心しろ」
ミリアのそばで、アンドレアはその変化も見てきた。
彼女の一番恋しい人になれるよう、彼も引き続きがんばるつもりだ。彼女がこのまま結婚生活を維持していいと思ってくれるように――。
「彼女はしっかりしているが、抜けているところもあるとは〝第一王女〟からの手紙にも書かれていた。怪我などをしてしまう前に迎えに行こう」
アンドレアの指示でカイたち精鋭部隊、そして近衛騎士隊から王族護衛部隊が協力要請を受け、馳せ参じることになった。
◇◇◇
それより少し前のことだ。
ミリアはその日、早めに起床すると、ベッドの上で精神統一をした。護身の修行をしていた時と同じく自身と向き合う。