冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
「君らがそう考えるのを見越して、父上は脅迫にも似た手紙をそこにおられるガイエンザル国王陛下に持たせたんだ」
「そっ、状況がどれも美味しい感じで転がっていたからね。それを利用することにしたわけだよ」
ジェフリルド国王は、悪びれることなく平然と答えた。
誰かが作った真実に、ほんの少しの嘘を混ぜる。
ミリアは、とんでもない人だなと思った。
計画を立てた時点で『誰も悪くならない』道筋を何十通りも用意していたジェフリルド国王は、やはりすごいと感じた。
「国民の皆様は怒っていませんか? 私、第一王女と偽っていたのに」
そこも気になった。
「私は、君を挨拶の席にだって一度も引っ張り出さなかったでしょ? アンドレアの妻であるのに公務もさせていない。つまり事実上、君はほとんど偽装なんてできなかったのだから、悪いことなんてないよ」
ミリアが第二王子の妻として呼び出されたのは、王家のプライベートのティータイム一度きりだ。
その際にも、彼女は自己紹介を求められなかったと気付く。
「平気だって。もうね、世間は『あのツンの第二王子が恋!』ですごく盛り上がってるんだ。獣人族は、恋愛事が大好きだからね」
「ツンッて……」
本人を前に堂々と言っていいことなのだろうか。
ミリアがそう思ってちらりと見ると、アンドレアはコノヤローと言わんばかりに口元が若干ひくついていた。
「そっ、状況がどれも美味しい感じで転がっていたからね。それを利用することにしたわけだよ」
ジェフリルド国王は、悪びれることなく平然と答えた。
誰かが作った真実に、ほんの少しの嘘を混ぜる。
ミリアは、とんでもない人だなと思った。
計画を立てた時点で『誰も悪くならない』道筋を何十通りも用意していたジェフリルド国王は、やはりすごいと感じた。
「国民の皆様は怒っていませんか? 私、第一王女と偽っていたのに」
そこも気になった。
「私は、君を挨拶の席にだって一度も引っ張り出さなかったでしょ? アンドレアの妻であるのに公務もさせていない。つまり事実上、君はほとんど偽装なんてできなかったのだから、悪いことなんてないよ」
ミリアが第二王子の妻として呼び出されたのは、王家のプライベートのティータイム一度きりだ。
その際にも、彼女は自己紹介を求められなかったと気付く。
「平気だって。もうね、世間は『あのツンの第二王子が恋!』ですごく盛り上がってるんだ。獣人族は、恋愛事が大好きだからね」
「ツンッて……」
本人を前に堂々と言っていいことなのだろうか。
ミリアがそう思ってちらりと見ると、アンドレアはコノヤローと言わんばかりに口元が若干ひくついていた。