冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
いや、嬉しすぎてどきどきが上がり続けているせいだ。

(だって彼、私のことが、『好き』って)

城も脱走したとんでもない女の子なのに、彼はミリアの名前を呼べただけで、少年みたいに真っ赤な顔をしている。

「ふふっ、こういうアンドレアは、ほんと貴重だなぁ」

エミリオが笑った。母の王妃は公務中なので、悔しがるだろうなと口にしていよいよ噴き出していた。

ジェフリルド国王がミリアを呼ぶ。

「そういうわけなんだ。彼、君のことがすごく好きなんだよ。昔、一目見た時から、ずっとね」

「陛下……」

「私も、君が本当の娘になってくれるのなら嬉しいよ」

その時、ミリアはうずうずしていたコンスタンシアに両手を握られた。

「ミリアッ、私は今すごく嬉しいわ! 興奮してる」

「姫様?」

「あなたを見初めてくれていた相手がいたなんて。しかもすごく愛されていて安心したわ! ふふっ、私たち、どちらも初恋の相手に娶られるのよ!」

覗き込む嬉しそうな笑顔を見て、ミリアもじわじわと胸が熱くなった。

「私もあの城から巣立つの。ミリアも、自由になって」

「ひ、めさま……っ」

「ふふっ、どうして泣くのよ。私たち本当の姉妹になったうえ、どちらも好いてくれた相手に嫁ぐのよ? 今度は姉妹、そして妻同士でまた会えるじゃない」

ミリアは涙をこらえるのに必死で、嬉しくて何度もこくこくと頷いた。

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