冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
彼女と離れるのは悲しい。でも、彼女も幸せになれるのも嬉しくて、そしてはじめからずっとミリアとしてアンドレアに見られていたのも嬉しくて。

それからこの先も、カイたちやみんなや神獣たちのそばにいられるのも嬉しくて――ミリアの心は、いっぱいいっぱいだった。

「こ、こんなハッピーエンド、あってもいいのでしょうか?」

ミリアは、ガイエンザル国王に確認した時にとうとう涙がこぼれた。

「わ、私、姫様の護衛侍女なのに」

ガイエンザル国王が、うるっとした目でミリアの頭を撫でた。

「ミリアは、これまでよくがんばってくれた。娘に自由をくれた、私たちに笑顔を与え続けてくれた――もう十分だよ。今度は、私の娘として幸せになって欲しい」

「うぅっ、陛下っ」

カイたちも嬉し泣きをした。自分たちも泣いているくせに、涙をぬぐえとミリアにハンカチを寄越してきた。こんなにいらないよと笑いながら、ミリアも受け取った。

「――その涙は、俺が欲しいんだが」

コンスタンシアたちが左右にどいたかと思ったら、ミリアはアンドレアに引っ張り出されていた。

ミリアのオレンジ色の髪が舞った。

強引なのに、優しい手で握ってくれた彼と、ミリアの目が再びぶつかる。

「アンドレア様?」

「というわけで今回の強制結婚、このまま続けても?」

< 222 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop