冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
自分のハンカチで涙を拭ったアンドレアの美しい赤い瞳が、真っすぐミリアのアイスブルーの目を覗き込む。

自国の王と、主人である姫に祝福された。

ラグウルフ王国には『第二王女』として歓迎され、ジェフリルド国王も、受け入れる考え以外にないと言わんばかりの喜びの笑顔だ。

こんなの、逃げられるはずがない。

(ううん、逃げるつもりだってないけど)

もう二度と、あんな風にここから逃げていったりしない。ミリアは、アンドレアがいるこの国にずっと居続けるのだ。

そう思った時には、ミリアは握られている手ごと伸ばして前へ踏み出していた。

逃げなくちゃいけないと思っていた理由はなくなった。この人といたい――そんな思いでアンドレアにしがみついた。

その行動はさすがに予想外だったのか、カイたちが「何――!?」と叫んだ。

抱き敷かれたアンドレアは目を丸くしているし、エミリオとジェフリルド国王は大袈裟に笑い出した。

「あら、うちのミリアは抱き着き癖もあるから」

「それを教えたのも、わしらなんだがなぁ」

コンスタンシアの肩を抱き寄せ、ガイエンザル国王が少しだけ寂しそうに笑った。

ミリアは、アンドレアのたくましい胴をぎゅぅっと抱き締める。

「嬉しい、嬉しいですっ。私も、アンドレア様とずっと一緒にいたいです」

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