冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
「というかさ、後宮はオーケーなのか?」

「え? みんな仲良しなんでしょ?」

ミリアは、顔を上げて真っすぐ聞き返した。

カイたちが揃って「おおぅ……」と変な顔になった。

「……ただのポジティブかと思ったけど、すげぇ心配になってきた」

「まぁ、境遇を思えばかわいそうだもんな。殿下はああだし」

そう言って、彼らが互いの顔を見合った。

「何? なんか考えてるの?」

「護衛侍女って呼ぶのもなんだから、俺らがいる間は『ミリア』って呼ぶけど。半年寂しいのが嫌って話だろ? そういうわけなら、俺らでよければ付き合ってやるぜ?」

「えっ、本当!? いいの?」

ミリアは前のめりになった。床に両手をついた彼女のオレンジ色の長い髪が、紹介されていた姫の十八歳よりも華奢な手にかかるのをカイたちが見た。

「俺らもこの任でほぼ離宮に居座っていて、まぁ、暇っちゃ暇だし。――ところでミリアはいくつなんだ? 姫よりは若いよな?」

「十七歳だよ! 姫様より一つ年下なの」

ミリアがにっこり笑うと、彼らが「なるほどなー」と言う。

「やっぱ年下だよな」

「つか、姫様のこと好きなんだなぁ」

「うんっ、尊敬しているし大好き! でも、付き合ってくれて大丈夫なの? アンドレア殿下の部下たちなんでしょう?」

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