冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
「爽やかイケメンなのに、女性慣れしていないのも男の中の男っす!」

「お前らバカにしてんの……? お前らもそうだろうがっ!」

何やら男たちが言い合っているが、ミリアは新しい〝味方〟を感動して眺めていた。

それに一番に気付いた騎士が、カイの肩をつついて目を向けさせる。

「……なぁ、お前さ、潜入して身代わりとか本当に大丈夫なのか? 嘘とか吐けなさそうなんだが……むしろ身代わりが全然できなそう……」

「え? 今してるじゃん」

ミリアは、両肩にかかった髪を左右からぽんっと手で叩いた。みるみるみうちにオレンジの髪が、プラチナブロンドへと変わっていく。

カイが目を見開いた。騎士たちも同じ顔をしたのち、一泊置いて全員が「おぉ!」と好奇心に目を輝かせた。

「これが〝生活魔法〟か!」

「見たことないの?」

「俺らの国の近くっていうと、魔法国はサンスティール王国しかないからな。でもさ、それをいうとミリアもそうなんじゃないか?」

言われて、よく分からないとミリアは小首を傾げる。

「ほら、そっちのサンスティール王国とうちって、ほぼ親交がないだろ。お前はさ、獣人族のこととかこの国のこと知ってるのか?」

「ううん、あんまりよく知らない。超大国で、怖いっていうイメージ」

ぷるぷるっと軽く首を振り、正直にずばりそう言ったミリアに、騎士たちが「素直だなー」と苦笑していた。

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