冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
「だめだった?」

「ううん、いいと思う。侍女さんの性格が掴めてきた」

尋ねられた後ろの騎士も含め、ミリアのアイスブルーのきゅるっとした瞳に映し出された騎士たちが、へにゃりと笑い返した。

「なんか妹みたいに思えてきた」

「姫付きの護衛侍女とは思えねぇよなー」

「お前ら、侍女じゃなくてミリアって呼んでやれ。よしっ、なら色々と教えてやろう」

兄ぶったカイが、一同を代表するかのように話し出す。

一部の騎士たちが「俺らでやっとくー」と言って、止まっていた仕事を進めるべく、床に投げ出されていた書類を集め出した。

「まず獣人族だが、ざっくり言うと、神獣と交わった末裔たちのことだ。目とか耳も、まぁまぁよくて、特徴としては自他共に認める〝動物と仲良くなるのがすごくうまい〟だ」

「え? それがアピールポイント?」

もっと壮大な話だと思っていたので、ミリアは驚く。

「あらゆる神獣の保護ができるんでしょう?」

「それは神経質の神獣が、俺らには気を許すせいでもあると思う。獣の性質を持っているから、気持ちも汲めるし」

「……それだけ?」

「獣の性質を持ってるって、獣人のいない他の国にとっては結構大きいことだと思うんだけどなぁ」

カイが困ったぞと頭をかくと、そばから騎士たちが首を伸ばして自分たちを指差した。

「同じく撫でられたりするのは好きだぜ」

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