冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
「そうそう、頭を撫でられるとテンションが上がる」

大の大人が……とミリアは想像した。なんだかイメージがつかない。

(見た目は人だ、でも動物と仲良くなるのが得意……)

ひとまず聞いた話を頭の中でまとめる。

「とすると、じゃあ神獣の世話はばっちりなんだね」

「おぅ、他国から貴重な神獣の繁殖と育てるのを任されたりする。今の時期は、犬型の神獣の子育てに追われてる」

「神獣の、仔犬……?」

見守っていた騎士たちも全員、ミリアの目がきらきらとしたのに気付いた。

「……そういえばサンスティール王国って、指定神獣がいなかったな?」

「うん、いない。たまに竜神様が飛んでいるのは見るよ」

「それは竜神じゃなくて、竜の種族の一つで……まぁいいか。その、なんだ……今日すぐは無理だけど、今度見に行くか?」

「ぜひ!」

ミリアは、右手を上げて断言した。

そこで、彼らの方でスケジュールを調整してもらい、明日こっそり連れて行ってもらえることになった。



◇◇◇



この国で迎える朝が、こんなに楽しみなのは初めてだ。

正体を知る味方ができたことも大きいだろう。それから、何より、楽しくお喋りできる相手がいるのは、いい。

(女の子じゃなかったのは残念だけど……)

自国でも戦闘訓練のため護衛たちといることが多かった。

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