冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
なのでミリアは、女の子とうふふきゃっきゃっと話せるのが好きだ。コンスタンシアが美女だったこともあり、憧れの大人びた体系をした成人美女には滅法弱い。

迎えに来たカイたちにそのまま感想を喋って聞かせたら、頬を引きつらせていた。

「その『残念』て感想はさ、口に出さない方がいいぞ……」

「お前どんだけ素直なんだよ」

「というか、お喋り……なのか?」

彼らは思い思い、珍獣のごとくミリアを不思議がっていた。

そんなこんなで、離宮の護衛である第一小隊が〝姫〟を囲んで移動する。

嫁入りをしてからずっと、引きこもり続けていた彼女の初の外出だ。

見かけた警備兵たちも、物珍しげに目で追い駆けていた。少し俯き加減で静々と歩くミリアは、そんなことまるで気にしていない。

(神獣! 子供ということはっ、もふもふ!)

この国に来るまで長旅だった彼女には、圧倒的に癒しが足りていなかった。女の子はだめだったので、今度は動物との触れ合いだと期待感は高まる。

間もなく辿り着いたのは、王宮の建物を下りてすぐの、第三保育所と呼ばれる小庭の一つだった。

「うわっ……うわああああ、なんってもふもふなの!」

柵で囲まれた向こうの出入口から動物課の係たちが出て行ったところで、ミリアは我慢できず口を開けた。

そこに広がっていたのは、ころっころに丸い仔犬たちのパラダイスだった。

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