冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
「珍しいと思うぜ。獣人族は、同族と思われているのか警戒されないんだよ。だから、特殊な神獣の難しい子育てを任される」

うーんと顎に手を当てて神獣を観察していたカイが、ミリアを見た。

「お前、動物に好かれやすいタイプなの?」

「分かんない。自国では、猫もほとんど見なかったもん」

たまに王宮の上を『竜神』が飛んでいたくらいだ。見るといいことが起こる吉兆の印だと言われていたが、隣の国から隣の国へと横断しているだけだ。

そうミリアは習った知識で思ったけれど、口にはしなかった。

『ふふっ、ミリアが来てから竜神様をよく見られるようになった気がするわ。嬉しい』

まだ少女だった頃のコンスタンシアの笑顔が、脳裏を過ぎっていった。

その時、騎士の一人の肩を叩かれて我に返る。

「な、試しに呼んでみ?」

「呼ぶ?」

ミリアは答えながら、持ったままだった仔犬を下ろした。

「そ。警戒されてないなら、来るはずだぜ。この子たちもさ、依頼してくる国が持ってくるんじゃなくて、俺らで迎えに行くんだ」

「え、そうなの? 超大国なのにわざわざ?」

「お前、どんだけ俺らの国への印象が悪いんだよ……神獣の子も、獣人族以外の言うことを聞いてくれないから、俺らが引き取りに行くんだよ」

とすると、普通の人は呼んでもこないものらしい。

< 42 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop