冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
女性の扱いがなっていないことを怒りたいのだろう。父と比べられると、さすがのアンドレアもいい気分がしない。
「……分かりました。明日には様子を見てきます」
そう決め、アンドレアはちっとも落ち着けない茶会の席を辞退した。何も手をつけなかったことについて母は背中に文句を投げ続けていたが、軍の仕事の合間に立ち寄っただけで忙しかったので、無視した。
そして翌日の午前中、アンドレアは時間を作って早速離宮を訪ねた。
だが、出入り口の警備兵に意外な内容を知らされることになった。
「……出掛けた? 俺の部下を連れて?」
「はい」
警備兵も、疑問の表情なのは当然のことだった。彼もまた離宮でされている〝事情〟は知っている。
アンドレアの部下たちは、妻になった女性も、これまで花嫁候補となった令嬢たちと同じく泣かせるため、ヅラをかぶって本殿にいるはずだった。
建物の中から警護にあたっているので、本殿を訪ねて命令しなければ、引っ張り出すことは不可能で――。
(なぜ、コンスタンシア姫が平気で連れているのか?)
本殿を訪ねたということは、と考えてアンドレアは渋い顔をする。
やはりしたたかな姫なのだろうか。離宮に女性が大勢囲われていようと、夫となった者に見向きにされなくとも自分の楽しみのために動けるほどの。
「……分かりました。明日には様子を見てきます」
そう決め、アンドレアはちっとも落ち着けない茶会の席を辞退した。何も手をつけなかったことについて母は背中に文句を投げ続けていたが、軍の仕事の合間に立ち寄っただけで忙しかったので、無視した。
そして翌日の午前中、アンドレアは時間を作って早速離宮を訪ねた。
だが、出入り口の警備兵に意外な内容を知らされることになった。
「……出掛けた? 俺の部下を連れて?」
「はい」
警備兵も、疑問の表情なのは当然のことだった。彼もまた離宮でされている〝事情〟は知っている。
アンドレアの部下たちは、妻になった女性も、これまで花嫁候補となった令嬢たちと同じく泣かせるため、ヅラをかぶって本殿にいるはずだった。
建物の中から警護にあたっているので、本殿を訪ねて命令しなければ、引っ張り出すことは不可能で――。
(なぜ、コンスタンシア姫が平気で連れているのか?)
本殿を訪ねたということは、と考えてアンドレアは渋い顔をする。
やはりしたたかな姫なのだろうか。離宮に女性が大勢囲われていようと、夫となった者に見向きにされなくとも自分の楽しみのために動けるほどの。