冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
「……カイたちは護衛小隊とはいえ、俺が信頼してはじめに造った編制班だ。勝手に使われるのもいささか嫌なものだな」

彼らは、お遊びに付き合うための男たちではない。彼の精鋭部隊だ。

アンドレアは軍服のマントをひるがえすと、探すべく離宮入口をあとにした。



◇◇◇



アンドレアが離宮に足を向ける、その少し前。

ミリアはばっちり外出の準備を整えていた。髪の色も変わり、ドレスセットもどこからどう見ても〝姫〟だ。

「よしっ、行くか!」

そうして彼女は、カイたちと合流して再び昨日の場所へと向かった。

早速、神獣の子犬たちの毛づくろいを手伝わせてもらえることになったのだ。

昨日会ったことを覚えていたのか、仔犬たちはミリアが来るなり走ってきてくれた。人払いをされてもらっているおかげで、地べたに平気で座れるのも嬉しい。

「みんな上手だね!」

ミリアは、仔犬の一頭を膝の上に抱え、見様見真似でブラッシングしていた。カイたちの方を確認して尊敬の目をする。

「そりゃあ、新人はこの作業から始まるからな」

「へぇ、それが必須なのも不思議」

「人手があってもあっても不足する作業だからな」

「しっかし、女の子が地べたに座って犬を抱っこしているのはなぁ……」

騎士の一人が、おいおいと苦笑気味に感想をこぼした。

「何か問題あるの?」

「……いや、ないけどさ」

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