冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
「はい! 感想伝えますね!」

カイたちが緊張の目で追う中、ミリアはその飴玉を口にした。

「んーっ、すっごく美味しい! こんなに美味しい飴玉初めてですっ。ありがとうおじいさん!」

「んんんっ、ますます甘やかしたくなっちゃうね。ささっ、これは持って帰って食べるんだよ」

「いいんですか!? ありがとうございます!」

ミリアは、彼がポケットから取り出した飴玉を両手で受け取った。どれも上品な紙で包まれていて、それぞれ色も違っていて美しかった。

「……そりゃ、すごくうまいだろうな」

「……王族御用達の高級飴だもんな」

騎士たちがひそひそと呟いている。

ミリアが飴玉をにこにこと堪能していると、老人は「そろそろ時間かな」と言って、また会えるといいねと言って帰っていった。

それを見送ったところで、カイたちが一気に緊張がとけたと言わんばかりに口から大きく息を吐き出した。

「はぁっ……心臓に悪かった」

「なんで? あ、もしかして人払いしている時は勝手にさせちゃだめだった?」

「いや、あの人を止めたら俺らの首が飛ぶ……」

ごにょごにょと言われてよく分からなかった。ブラッシングのコツも教えてもらったミリアは、上機嫌でもうしばらく毛ずつくろい作業を続けることにした。

だが、それから二頭目のブラッシングも終えた時だった。

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