冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
するとアンドレアは、疑うでもなく頷いてくれた。
「そうか、この国のことを知りたかったのか」
その言葉がミリアの胸にすとんと落ちてきた。カイたちから国の話を聞かされた時に感じたのは、まさにそんな感情だった。
「は、はい、そうですっ。この国や人たちのことを〝私〟は、もっと知りたいなと思いました」
半年いるのなら楽しめ――。
そうカイたちが言ってくれた時、ミリアは、それならそうしたいと思ったのだ。
国に戻った時に、コンスタンシアが笑って出迎えられるように。
そう思って真っすぐ見つめ返したミリアは、まじまじと見つめられている状況に気付く。
(……この人、瞬きしてる? 大丈夫?)
ずっと見つめられて変な感じだった。
表情の動き一つ見逃さないみたいな目に緊張する。しかしミリアが身体を強張らせた時、アンドレアがタイミングよく立ち上がってくれた。
目を向けられたカイたちが、途端にあわあわと彼へ弁明する。
「あの、殿下、勝手な行動を申し訳ございませ――」
「いい。お間たちは俺の妃の護衛でもあるはずだ」
「……はい?」
たぶん、全員が口にしたと思う。
「それでは、失礼する」
アンドレアはそれだけ言うと、あっさりと去って行ってしまった。
彼が建物に上がって見えなくなったところで、ミリアはカイたちと一気に脱力した。
「……バ、バレなかったみたいで良かったぁ」