冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
「心臓がどうにかなりそうだったぜ」

「分かる。あんた全然嘘吐けてないし……」

騎士たちが、大きな溜息をつきながら髪をかき上げていた。

アンドレアは幼い頃に〝サンスティール王国の第一王女〟に二度会っていた。ミリアとしては、かなり心配要素だったのだけれど。

(大きくなってからは見ていないから、騙されてくれたのかな……?)

とはいえ今後は、顔をあまり見られないように気を付けようとミリアは思った。



◇◇◇



アンドレアは、その足で王の間へと急ぎ向かっていた。

護衛騎士たちが驚いて止めようとしたが、私室なので訪問者はいない。彼はどけと命じると構わず入室した。

「どういうことだ! あれは……あれは、俺が会った方の姫だ!」

扉がしっかりしまったのを確認してから、アンドレアは窓辺で寛ぐジェフリルド国王に詰め寄った。

「あ、やっぱり?」

ティーカップを持ったジェフリルド国王が、けろっと言ってきた。にこやかな態度にもアンドレアはイラッとする。

「お前がなかなか妻を決めてくれないから、どうしたものかと思っていたんだよねぇ。そうしたら、三か月前にサンスティール王国に行った時、第一王女のそばに瞳の色が瓜二つの子がいたんだよ。雰囲気も少し似ていて――恐らく影武者だろうと私は踏んだ」

「影武者……」

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