冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
「何かあった時のための護衛だ。近くにいた国内の者に聞いたら、あの頃で唯一の護衛侍女という肩書きを持っていると」

髪色は異なるが、笑った顔がどことなく似ていたそうだ。

「髪色が違う?」

「あそこは魔法国家だからね。どんな高名な魔法の使い手も、魔力が宿った瞳の色までは変えられないらしいが」

そう聞いて、なかなかいないプラチナブロンドの髪の持ち主が〝二人〟存在していることについても、アンドレアの中で納得がいった。

「それで? どうして俺が知る彼女の方がここにいる?」

「本物の第一王女は、あの場でバフルスク王国の第四王子との婚約が内定してしまいそうだった。だから先に、その日のうちに私の方から縁談を持ち掛けたんだ。そうしたら推測した通りに影武者がきてくれた。なんと、養子縁組をして第二王女にまでしてね」

ふふふと笑ったジェフリルド国王は、揺れてこぼれてしまう前にとティーカップを円卓へと置いた。

「本物の第一王女の結婚準備も兼ねて、彼らは半年待つつもりなんだろうね」

「相変わらず性根が悪いお人だ」

アンドレアは舌打ちした。

「いたずらにしても、度が過ぎます」

「おや、自分の兄上のことを言っているのかな?」

「……あいつ、まだ根に持っていますよ」

「恋のキューピッドをしてあげたのに、悲しいことだよねぇ。あの子の妃と私は、もうとっくに仲良しだよ」

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