冷酷な獣人王子に身代わりで嫁いだら、番(つがい)として溺愛されました
アンドレアも同じく紅茶を飲んだ。足を組み、姿勢は楽にしているがそれでも上品に見えた。飲んでいる紅茶のいい香りに落ち着いていくのを感じながら、つい、彼の姿をぼうっと眺めてしまう。

「……殿下は、意外と話し上手なのですね」

眺めていたら、思ったことがぽろりと口から出た。

彼が紅茶を飲むのを止めてしまって、ミリアはハタと我に返る。いけないと思って、ぱふっと片手を口にあてた。

するとアンドレアが、なぜか「ぐぅ」と言葉を詰まらせた。

「殿下?」

「その、なんだ……知りたい相手なので、当然だろう」

仕切り直すように彼がそう言った。

(知りたいって、姫様のこと?)

よく知っているとはいえ、身代わりの身としては、勝手に主人のことをぽんぽん教えていくわけにもいかない。

そう考えたところで、ミリアはじわじわと心配になってきた。

(……もしかして、第二王子って姫様が気になっていたりするのかな?)

可能性としてはある気がした。

コンスタンシアは美人だ。この国を訪れた際は十歳だったが、あの当時も、将来の美しさが想像できるほどの美少女だった。

特徴的な瞳の色はそっくりとはいえ、ミリアは顔まで似ていない。

影武者をする際には化粧をし、あまり近くから見られないようにと色々工夫していた。

「結婚の知らせは急で、俺も戸惑ったが」

< 75 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop