冷徹上司の過剰な愛
「じゃベッド行こうか。」



と起き上がった難波さんと目が合うなり、両手を広げた。



「抱っこ……してください。歩けません。」


「この甘えん坊。」



なんて言いながらも、表情はすごく優しくて、すぐにお姫様抱っこされ寝室に運ばれた。そのまま夢の中へ。


次に目を覚ましたのは朝陽が昇ってからのこと。


重たい瞼を擦りながら昨夜のことをぼんやり思い出していると、どこからか視線を感じるような…?



「っ、難波さん!」


「おはよ、あのん。すっごく気持ち良さそうに寝てたね?」


「っ、…えへへ…えっと、昨日ぉは……そのぉ、」


「…愛情不足で全然眠れなかった。」


「えっ!?あ、愛情不足!?」


「覚えてないの?あのんから誘っておいて途中で寝たんだよ?」



…うそ…?そうだったっけ??………確かに急に睡魔に襲われたような…っ。じゃそのまま…?


引きつった顔のまま難波さんを見ると、にっこり微笑まれた。



「あのんちゃんさぁ、僕の顔見てる余裕あるの?」



となぜか視線を下げた難波さん。
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