冷徹上司の過剰な愛
夕飯を食べ終え、難波さんと寛いでいると、「今日はワイン呑まなくていい?」なんて聞いてくる。



「ワインはいっとき呑みませんっ。」


「それは残念。」


「………。」


「僕を説教するあのんもなかなかに良かったよ?」


「…それは忘れてください。」



てか、もう昨日のわたしのことは記憶から抹消してください!!…昨日のわたしは本当に調子に乗りすぎてた。


もおぉ…新年早々から反省だよぉ…。


それからお風呂に入り、のんびり映画観て、ベッドに難波さんと並んで寝転んだ。



「そういえば、正月なのに実家に帰らなくてよかったの?」


「はい。実家すぐそこなので。」


「どこだっけ?」


「電車で10分もしないところです。本当は電車通いできる距離なんですけど、どうしても一人暮らししたくて…わがまま言ったんです。」


「優しい親御さんなんだ?」


「全然ですよ?毎日のように叱られてました。テストの点数がちょっと悪いくらいで怒鳴るんです。ちょっぴり誰かに似てるような…?」


「んー…誰だろう?」



と笑った難波さん、あなたですよ。って難波さんも自分だと分かってるよね。
< 138 / 230 >

この作品をシェア

pagetop