冷徹上司の過剰な愛
「あぁ…それは今週中に提出してくれればいいよ。……ん、分かった。あ、荒牧。今日頼んだ資料だけど。あれ、急がないから。」



荒牧…さん…?


荒牧遥香ーーー


荒牧さんは同じ部署で働く1個下の後輩に当たる。その彼女と電話していたようだ。


そんな荒牧さんとはデスクが離れていることもあり、そんなに会話があるわけではない。簡単に言えば挨拶をする程度の仲。



「その件はまた明日会社で話そう。………ん。じゃお疲れ。」



電話を切った難波さんはテーブルに広げられた資料たちをまとめる作業に入った。



「荒牧さんですか?」


「そ。教えてほしいことがあったとかで。」


「…よく電話掛かってくるんですか?」


「え?どうして?」


「なんか電話の感じが慣れていたので…。」


「荒牧に限らず仕事の電話はこんな感じだよ。」



と笑った難波さんになんとも言えない気持ちになる。


そうだよね。荒牧さんに限らずだよね。……でも、会社と違って口調が柔らかい気がしたんだよね。気のせいかな?


それからすぐに難波さんはお風呂に入り、いつも同様肩からタオルを掛けて戻ってきた。


相変わらず色気がすんごい。


髪から滴る雫が余計に色気を漂わせてる。
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