冷徹上司の過剰な愛
「そんなに溜まってないから大丈夫。」


「え…?」



もしかして、舞子や有馬が…?



「あのんの仕事は僕のところで止めてるから。ほら。」



と先程まとめられた資料を見せたその中に、見覚えのある用紙が数枚。



「っ、わたしがしますっ。難波さんただでさえ仕事いっぱいあるのにわたしのまでなんて…っ、」



その資料を奪い取ると、難波さんを見上げた。


……こんなのダメ。絶対ダメ。



「あのん。返して?」


「……嫌です。これはわたしの仕事です!」


「あのんは仕事より自分の心配をしてればいいんだよ。」


「…どうしてですか?わたしが仕事出来ないから…?」


「あのん…?」


「わたしに任せたら仕事が倍になるから?期限内に終わらせられないから?………わたしのこと、仕事では甘やかさないでください。」


「………。」



胸の中でモヤモヤしていたのはこれだ。


仕事まで甘やかされたら、わたしはもう本当にダメな人間になってしまう。そこだけは厳しいままの難波さん……上司であってほしい。
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