幼馴染は、政略妻を愛したくてしょうがない
私からメッセージを入れるより、佐原さんに伝えてもらった方が貴晴さんが冷静でいられそうだ。
昨日の今日なので、あの人のことだから仕事を放って病院まで来てしまうかもしれない。

「お願いします」


歩けるまで回復したので、佐原さんが用意してくれたタクシーで近くの総合病院に向かった。

受付を済ませ、ずいぶん待って、緊張していた私に医師は診断を淡々と告げた。



仕事を終えた貴晴さんが病院まで迎えに来てくれるというので、私は送迎レーンのベンチに座って待った。

「一椛! 外にいて大丈夫なのか? 体調は? 医者はなんて…」

貴晴さんはずっと険しい顔で私の全身を観察するみたいに見つめてくる。

「貴晴さん、落ち着いて。今は平気。気分も悪くないよ」
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