年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
コートを脱いでハンガーにかける。
「意外でした。こういう店と言ったら失礼ですけど、大衆居酒屋のような場所、園城さんも来るんですね」
「いや、正直初めてだ」
「え、じゃあなんで……」
「実は恥ずかしい話だが君と食事に行くことを吉野に話した」
「ええっ!」
私は驚いて顔をあげる。
吉野さんに!?
「もっと君がリラックスして話せるような場所にしたいと思ってな……ただ俺はこういうのに疎いから、吉野に教えて貰ったんだ」
なるほど……じゃあここは吉野さんのオススメのお店ということか。
ふふ、そんなことわざわざ言わなくてもいいのに真面目に伝えてくれるところが園城さんらしい。
「そんなに私に配慮して下さったんですね……」
「ああ、君を振り向かせるのに必死だからな」
「なっ」
園城さんはふわりと笑った。
私服姿だからか、彼の笑顔がいつも以上にやわらかく感じて思わずドキっとしてしまう。
「か、からかうのはやめてくださいよ……」