年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
吉野さんと会う土曜日がやってきた。
この日は家で夕食を軽く食べた後、吉野さんの経営するBARにお邪魔する予定だ。
私たちの雰囲気を壊さないように、お店を貸し切りにしてくれたらしい。
「準備は出来たか?」
「はい……」
自宅で着替えを済ませて自分の部屋を出ると、悟さんが準備を終えて私を待っていた。
私は悟さんがプレゼントしてくれた黒のロングワンピースを着て出ていく。
「それで行くのか?」
「えっ、変ですか?」
この服、お気に入りなんだけどな……。
「変ではないが……首元の露出が気になる」
首元の露出って……。
当然過度に露出があるわけではない。
「こういうデザインですよ」
「いや、こっちにしよう」
悟さんが私のクローゼットから持ってきたのは首までしっかりあるタートルネックだった。
私がジトっとした目で彼を見ていると、彼も勘弁と手を広げて伝えてくる。
「君が可愛すぎて心配してるんだ。許してくれ」