年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
もしかして、一時期付き合っていたなんて言われたらどうしよう。
お互い離婚届けを書いて離婚をした。
例え離婚届けが受理されていなかったとはいえ、あの期間にパートナーを作ることをお互い容認していた。
だから、悟さんに彼女がいたとしても何も思ってはいけない。
それなのに……。
心がズキンと痛み出す。
「ってかせっかく一緒にいるなら飲もうよ~!そちらさんは?」
嫌だ。
もしそうだとしたら、二人の顔を見ることが出来ない。
お願い、断って……。
その女性が悟さんの反対サイドのイスに座ろうとした時。
「はい、そこまで~!今日は二人の席だから、勘弁してやってよ姉貴」
吉野さんが止めてくれた。
ほっと胸を撫で下す。
そしてはっと我に返った。
え、待って、今姉貴って言った……?
「姉貴?」
私が尋ねると、吉野さんは頷きながら答えてくれた。
「そう、俺の姉貴だよ」
「それじゃあ悟さんとはどういうご関係で……?」
「ああ、会社にフィットネスジムを搭載することにしたんだ。その取引先ということで何度がやり取りをさせてもらってた」