年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
そしてすでにサインをしている離婚届を園城さんの前に差し出した。
「もちろん、園城さんの都合もあるかと思います。園城家の名前を汚さないためにも、公表はいつでも結構です。それに、もし夫婦として顔を見せる場が必要であれば、それにも従います。私の出来る限りのことは致しますので、離婚していただきたいです」
しっかりと彼の顔を見て伝える。
彼はいつものポーカーフェイスを崩さずに、ただ離婚届けを見つめている。
何を考えているかは分からない。最初もそれから今も。
でも何を言われても覚悟は出来ている。
罵倒でも卑下するような言葉でも受け入れるつもりで言葉を待っていた時、園城さんは口を開いて、一言だけ言った。
「分かった」
それ、だけ……?
怒ることもなく、理由を聞くこともなく、私の提案を受け入れた園城さん。
そうか……やっぱり私はその程度だったんだ。
ズキンと心が痛む。自分で決めたことなのに彼の反応にひどくショックを受けた。
親が決めた関係、園城さんは私に対して何も感じていない。
私がダメだったのなら、また他に相手を作ればいいのだから、そうなるのも当然だった。
離婚すると自分の中で決めていながら、ほんの少しでも、園城さんの答えに期待をしてしまっていた……。