年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
もうこれは、言うまで園城さんは帰らないだろう。
私は観念して白状することにした。
「その……階段で足を踏み外しまして……」
恥ずかしすぎて顔から火が出そうだった。
息巻いて家を出で行った元嫁と病院で、しかも階段から落ちて怪我をした状態で会うなんて、笑いものだ。
「なので……単なる骨折です!念のため4日ほど入院しているだけで」
鼻で笑われても仕方ないと思っていたのに、意外にも園城さんはほっとした表情で言葉を吐いた。
「そうなのか……それなら良かった」
意外だった。
それじゃあまるで、心配してくれたみたい。
もう離婚しているし、私たちは他人なんだから、そんな事ないのに。
「何か出来ることはないか?食べたいものがあるならこちらで用意するが……」
「あ、いえ……そんな。そんなに気遣ってもらうわけにはいきません」
「そうか……」
私の言葉を聞いて、一瞬園城さんが寂し気な表情をしたように見えた。
気のせい……だよね?私に関心の無かった園城さんがそんな顔するはずないもの。
きっと、病院で1人で過ごしているのが寂しくて、私の頭が都合よく解釈した作り出したんだ。
「失礼するよ。何か本当に困ったことがあったら呼んでほしい」
それだけを告げると、園城さんは背中を向けると病院を去っていった。