年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~


そうじゃない。
ただ私は、ずっと見てほしいって思ってただけだ。

ポタリと涙が頬を伝って溢れた。

「すまない。何かしたなら謝る……何が嫌だったのか教えてほしい」


焦った口調の園城さん。
今まで私のことなんて気にしたことなかったのに、おかしい。

「園城さんはおかしいです」


でも本当におかしいのは私だ。

離婚を突きつけて次に進もうとしてるのに、今更こんなことで涙を流すなんて。

ずっと我慢していた気持ちが、溢れるように爆発して、止められなくなっていた。

園城さんは眉を下げ、困った表情で私を見ながら、胸ポケットから白いハンカチを差し出した。

きっとどうしていいか分からないんだろう。

正直、私も私のことが分からない。


「どうしてお義母さんのドレスではなくこれを用意したんですか?」

「昔、着たそうにしていたから……」


その時、ハッとした。

園城さんは見ていたんだ。

一緒に買い物をして、マイルスモートの前で足を止めた時、園城さんは先を歩いてしまった。私が何に足を止めたかなんて彼は興味もないと思ってた。

でもあの時、園城さんは私を見ていた……?

「でもキミは欲しいと言わなかったな」

「そんなこと言えません」
「俺は言って欲しかった。ワガママでも思っていることでも、何でも言って欲しかった」

「なっ……」


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