年の差契約婚~お別れするはずが、冷徹御曹司の愛が溢れて離してくれません~
ウソ、絶対ウソよ。
だって、私を好きになるタイミングなんて園城さんには無かったはず。
私たちは契約結婚。
園城さんは親から結婚を急かされていたと聞いた。
彼の意見に従順で彼の一歩後ろを歩く妻を探していただけだ。
「信じられない?」
「はい……」
「まぁ、それもそうか」
吉野さんは残念そうに言葉を溢す。彼が言っていることもどれだけ信じていいか分からない。
面白がって言っているだけかもしれないし……。
「でも沙織ちゃんに離婚を告げられた時、悟は相当参ってたよ」
「参ってた……?」
「僕が教えられるのは、これだけかな」
分かったと一言で受け入れられた離婚。
愛が無かったと再確認したあの日。
私が見てる園城さんは私に対して一切愛を持っていなかった。
初めて聞く情報に私は戸惑いを隠せない。
「本当は言うつもりなんて無かったんだけど、今日の2人を見てあまりに自然体で……なんなら結婚している時よりも夫婦に見えた」
「えっ」
「僕がどうこう言えることじゃないけど、悟の不器用さは沙織ちゃんに教えてもいいんじゃないかって思ったんだ」
またニコッと笑うと、吉野さんは背中を向けた。
「余計なことを言ったね。またキミと会えることを期待してるよ」
彼はその言葉を残して会場に消えていった。