夜のオトシモノ
「 普通住所言うだろうがよ 」
『 知らない人に教えたらダメって... 』
「 もう2回も会ってんだろ 」
『 名前知らないし 』
あぁ...さっきあの男が言ってたな...光井って。
脳裏に焼き付いた記憶に少し身震いをする
人生で三本の指に入るぐらい怖かったな。
「 親は 」
『 一人暮らしですけど 』
「 あ、そう。 」
深く聞かないでスタスタと歩いてしまう
何この状況。
え、私はどうしろと??
ついて行っていいのかも分からず
彼の後ろ姿を見てその場に立ちすくむ
「 何してんだよ。 」
『 はい? 』
「 帰んぞ 」
『 私の家そっちじゃないですケド... 』
私の家は左方向です...。
指を左へ向けて苦笑いを彼に向ける
方向音痴なの??