夜のオトシモノ





あ〜...と少し怒ったように
頭をぐしゃぐしゃする彼の情緒は一体どうなってるの



「 どうせ、家帰っても親いねぇんだろ。
アイツにも顔バレしてんだから黙ってついてこい 」

『 いや、えっと... 』

「 なに?あー...
お前に手を出すほど飢えてねぇから気にすんな 」

『 なッッッ 』



一瞬でもいい人だと思った私のきもちを
今すぐに返して欲しい!!

なんだこいつ!!!!


ドスドスと足音をたてて
彼に近付いて ふんッ! と顔を反対に向けて
自分の家の方向へ歩いた。



「 てめぇ 」

『 私、てめぇって名前じゃありませーん 』

「 なんだその屁理屈 」

『 あ〜あ〜聞こえな〜い 』

「 小夜 」




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